抜いた。

親しらずを。


左上の親しらずが虫歯になっていた。
大阪に帰る前の診察で、そのまま治療してくれるものと思っていたら、
なんと、抜歯したほうがよいとの診断結果。


正直、めちゃブルーになっていた。


最後に歯を抜いたのは小学生の時。
逃げたくなるくらい、すんごく痛かったと記憶している。


で、抜歯当日。顔は平然としながらも、
内心ビクビクのまま無抵抗状態で診察台に仰向けに寝そべり、
先生に「心の準備は大丈夫ですか?」と聞かれ、
「やっぱマジで痛いんやぁ〜! 確かに親しらずを抜くのは、
かなり苦痛といろんなヒトから聞いてたしな〜」
なんてココでは書けないくらいビビってた。


ソレにココの病院は患者に目隠しをするのが方針らしく、
今が準備をしているのか治療をしようとしているのかが全くわからない。
もちろん仰々しい医療器具とかも(例えば歯を抜くペンチみたいなもの?)
全く見えない。
それが余計にビビリ心を増幅させていた。


ごにょごにょと口の中を触られて感じた範囲で書くと、
口の中を消毒され、麻酔をプスプスと3〜4箇所刺され、
(途中から刺されている感覚も無くなった)
そのあと大きな器具で3〜4回くらい歯を強くぐいぐいと押してきた。
で、とりあえず準備終了。


「前フリはイイからはよ抜いてくれ〜。頼むわ〜」
なんて思いながら心の準備をしていると、
看護士が目隠しを取りながら、
「お疲れさまでした。口をゆすいで下さい」とのたまうではありませんか!


思わずメチャメチャでっかい声で、
「もう抜いてもうたんスか!?」と上体を起こし、ツッコンでしまった。
それもさっきまで標準語が入った言葉で話してたのに、おもくそ関西弁で。
(東京に居ると標準語はうつるのじゃ。
想像して「キモ」と思ったヒト、許せ〜。)


その上、看護士は「記念に歯は持って帰りますか?」と聞く。
「そんなもんイランわい!」とさらにツッコミかけたが、そこは普通に断った。


今から冷静に考えるとどうやら「押された感覚」が歯を抜いた瞬間だったよう。


恐るべし東京(現代?)の歯科医。
歯を抜くという結構大がかりな仕事を(俺の中ではやけど)、
さらっとこなしてしまった。


なんかちょっと拍子抜けしつつも、心地よい驚きだった。


最後に余談ですが、下の歯だともっと手こずってはるかに痛みも伴うそうです。
親しらずはゼッタイに虫歯にならないように磨きましょう。